先日、自身が参加している
出版プロジェクトで話題に出た
こちらの本 ⇓ を読了させていただきました。
思考の質を高める 構造を読み解く力www.amazon.co.jp
1,650円(2025年06月11日 08:45時点 詳しくはこちら)
現在、kindle版はunlimitedで
0円で読むことができます。
この本を読んでみて
自分が現役時代に行っていた
国語の読解授業が
著者であられる
河村有希絵さんのお考えと
マッチする部分が多いと感じ
今回この記事で
整理してみることにしました。
河村さんの軸となる考え方は
この一言に集約されていると
わたしは感じます。
わたしの個人的な意見としては、国語の目的は、究極的には「共に生きる力」を培うというところに行きつくと考えています。
思考の質を高める 構造を読み解く力
河村有希絵 著
ディスカヴァー・トゥエンティワンより
まず、河村さんのこのお考えに
わたしも大変共感します。
わたしが若かりしころから
特に力を入れ意図的に行ってきた
国語の授業も
河村さんのおっしゃる
「共に生きる力」
すなわち、伝え合う力や
互いを理解し合い共感し合う力を
身につけてほしいと意図しながら
行っていたからです。
そしてそれには『言語力』と
言語力を土台にした『思考力』が不可欠だと
河村さん同様、わたしもそのように考えます。
河村さんは在学されていた
私立明星小学校で
当時担任の先生が力を入れていた
構造的な読解力をつける
国語の授業を受けてこられました。
慶應女子高から東大へ進学し
いったん国際企業への就職を経て
大学院で教鞭をとる現在も
この、構造的な読解力が
ご自身の大事な思考のベースにあると
本書で語られています。
この本の中では
「説明文」と「物語文」
それぞれの『構造化』について
教科書に出てくる教材文を
実際にまるっと取り上げ
具体的な構造化の流れを
図式も交えて
分かりやすく説明されています。
河村さんの素晴らしいところは
この本を大変平易な
だれにでも分かる言葉で
お書きになられているところです。
いろいろな意味で、さすがだな🤔
と感じさせられました。
では具体的に
この河村さんの構造読解力のどの部分に
わたしのこれまでの授業があてはまるのか
1.説明文 2.物語文
この2つに分けて説明していきます。
【1.説明文】
ご存じの方も多いかと思いますが
説明文はその全文を
「形式段落」 と 「意味段落」
に分けることができます。
「形式段落」は形式
つまり段落ごとの文章のまとまりを指し
「意味段落」は
意味ごとの文章のまとまりを指します。
あたりまえでしたかね😅💦
形式段落は1段落ごとなのに対して
意味段落は他の段落を
補完したり詳しく説明したり
場合によっては例示なども含めたりしながら
それぞれが相互にかかわっています。
それらを図式化することで
さらに「構造読解」が深まります。
教科書の指導書(教師用のガイドブック)でも
多くがそのように
指導する流れになっていますので
説明文に関しては数多くの児童生徒が
こうした授業を
体験しているのではないかと
わたしは考えます。
河村さんが受けてきた
国語の授業とは
比べ物にならない内容ではありますが
わたしも長年
教材文の段落分けまた
それぞれの段落の要約や表題つけ
意味づけ、段落ごとの構成などを
子どもたちと丁寧に対話しながら
進めてきました。
思い出すと胸が熱くなってきます😆
わたしはこれらの作業を進めながら
最終的に学級案として
一つの構成図にもっていく方向で
授業をしていましたが
河村さんのご著書では
さすが私立学校ということもあって
一人ひとりが教材文を構造化したものを持ち寄り
それぞれの違いを確認したり
その違いはどこからくるのかなど
段落ごとの「重みづけ」なども踏まえて
教師と児童の間で大変意味のある話合いが
進んだとありました。
さすがですね✨
【2.物語文】
わたしが特筆したいのはこちらです。
ご著書の中で教材文の一つに
「ごんぎつね」が取り上げられていました。
皆さまもご存じの物語ですよね。
4年生の教材文に多く採用されています。
じつはわたしも
河村さんのご紹介された内容と
ほぼ同じ形の授業を
長年してきました。
ちょっと誇らしく感じました😉👍
どうしてわたしが長年
構造化の授業をしてきたのか…。
それはまさしく
河村さんのこのお言葉
わたしの個人的な意見としては、国語の目的は、究極的には「共に生きる力」を培うというところに行きつくと考えています。
思考の質を高める 構造を読み解く力
河村有希絵 著
ディスカヴァー・トゥエンティワンより
ここです。
子どもたちに
洞察力や共感力を
養いたかったからです。
こうした力をつけるためには
まず「言葉」を知ること
つまり
「語彙」を豊かにすることが不可欠です。
低学年のころから
語彙を増やす工夫ももちろんしてきています。
それはに主に
MIMというトレーニングを用いてきました。
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読みの流暢性を高める
トレーニングではありますが
特殊音節を丁寧に学ぶことにより
低学年の子どもの
語彙を増やす効果があります。
話しがやや逸れますが
現代の子どもたちは本当に
語彙を伸ばす、増やす場が
減ったと痛感します。
これにはゲームの影響や
コロナ禍を経ての社会の変化など
さまざまな要因がからんでいると
わたしなりに推察します。
話を国語の授業にもどして
ある程度の語彙が育っていることを前提に
授業の中で子どもたちに
さまざまな、「言葉」を用いた
投げかけ・問いかけをしていきます。
物語文の授業では
文脈から場面をこれでもかと
想起・想像できる場を作りつつ
登場人物それぞれの気持ちを
深く深く、深〜く考えていきます。
通常、中心となるのは主人公の心情で
場合によっては気持ちの変化を
心情図に表すこともあります。
河村さんの書籍には
脇役の心情を深追いしていくのも
子どものころとても興味深かったとあります。
すごく分かります‼️
場面を想起させる工夫
心情を物語文から想像する手立てを
いくつも施しながら
子どもたちを一つの物語に
引き込んでいきます。
実はわたしはこの
物語文の構造化の国語の授業を
ある先輩教師から教わりました。
この方とは
教師になって3年目に出会っているのですが
この先生の
人としてのまた、教師としての在りようから
わたしは多大な影響を受けました。
この方の良い点も
良いと思えない点も
自身の中で何度も咀嚼(そしゃく)しながら
わたしならではの
教師としての在り方を模索し
こつこつと一歩ずつ歩みを進め
ここまできました。
若かった自分にとっては
それくらい影響力のある
大変魅力的な大先輩でした。
話をまた国語の授業にもどして
こうした、目には見えない
また、文章の中には明確には書かれていない
登場人物の背景を探ることや
主人公、また脇を固める人物の心情を
深く深く考える経験をとおして
何気ない教室の日常の中でも
無意識に相手の行動の背景に想いを及ばせたり
表には現れてこない相手の心情を察したりなど
子どもたちなりに良い変化を見せてくれます。
これらがこの授業の効果です。
自分の立場や気持ちばかりを
主張していた子どもたちが
「〇〇くんも〇〇だったのかもしれない」
「〇〇ちゃんの行動にも
何か理由があったのかもしれない」
「もしかして自分にも
何かできることがあったのかもしれない」と
ときに深い洞察ができるように
なったりするのです。
このようにして
国語の授業の中でも
道徳的な学びをすることが可能になるのです。
物語単元を読むたびに
このような体験を積み重ねていくことによって
教師が子どもたちを
無理にコントロールすることなく
子どもたち自ら互いに
より良い関係を作ろうとする姿を
目の当たりにしてきました。
子どもたちがこうした成長を
遂げている姿が何より嬉しく
また教師冥利に尽きる。
現役時代はこのように
子どもたちからたくさんのことを教えられ
与えてもらう毎日でした。
今回、こちらの本に出逢えたことで
これまでの自身の取組に
一つの確信をもつことができました。
この本を書いてくださった
著者の河村有希絵さんに
また、出版プロジェクトとの出逢いに
心から感謝しています✨✨
出版プロジェクトについては
また追って
記事に書いていこうと考えています。
ご興味をおもちの方が
もしいらっしゃいましたら
しばしお待ちください。
そこに参加しようと考えた経緯なども
お伝えしていけたらと思います。
ここまでお読みいただき
ありがとうございました✨
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