とあるYouTube動画に??支援者・指導者が陥りがちなこととは🤔?!

『マイクロアグレッション』
という言葉をご存知ですか?

賛助会員として所属させていただいている
「発達協会」が発行している
「発達教育」という月刊誌に

マイクロアグレッションについての
記事を見つけました。

ほんの一部ですが以下に転記します ⇓

マイクロアグレッションとは、相手がマイノリティ属性(社会の中で少人数派とされる集団に属する)であることを理由に傷つけたり、存在を否定するような微妙に攻撃的な言動のことを指します(Sue,2010)。」これは、あからさまな差別とは異なり、多くの場合、あいまいで気づかれにくい形で現れます。そのため、発言した本人が「冗談だった」「誤解だ」と言い訳をしてしまうことで、問題が軽視されてしまうことも少なくありません。(Nadal etal,2014)

発達教育 2025年6月号
公益社団法人 発達協会 より

上記の引用に少し付け加えると

もともと、マイクロアグレッションは
人種差別に対する説明概念として
提唱されたものなのですが

近年ではより広い属性の範囲に提要され
性的マイノリティ属性の方々など

さまざまな属性の方への
マイクロアグレッションが
問題視されるようになったとのことです。

これまでこうしたことを
なんとなく
肌で感じるようなこともありましたが

このように言語化されると
「なるほど!」と納得しました。

じつは、少し前に
あるYouTube動画を拝聴して

マイクロアグレッションと思われる
違和感に遭遇していたことがあり

発達教育の記事を読んで
これだったのか😲と
心にとピンときたんです。

このYouTubeチャンネルの紹介は
あえて避けますが

ある男性YouTuberさん
この方の属性を少しだけ紹介すると
恐らく会社を立ち上げられて
福祉施設を運営されておられる方のようです。

心理資格をおもちで
「ABA:応用行動分析学」をもとに

ご自身の運営する施設の支援プログラムや
YouTube動画での発信を通じて

障がいをおもちのお子さま方の
QOL(Quality of life)の向上や改善を
利用者の皆さまや視聴者の皆さまに
働きかけていらっしゃいます。


わたしの違和感の理由…。

それは、その方の働きかけ方を
聴けば聴くほど、見れば見るほど

相手を「コントロール」しているように
思えたからだとわたしなりに理解しました。

注)その方は恐らく無自覚であり悪気はないこと、またポリシーをもってお仕事されているであろうことをここであえてお伝えしておきます。

わたしも児童発達支援施設で
就学前のお子さんたちに
「ABA」を用いた支援プログラムを
実施した経験をもち合わせているので

「ABA」自体が
行動の分析に科学的な方法を用いて
効果を検証していくアプローチ

ときにはトークン(報酬やごほうび)を用いて
行なわれていく方法であるため

たとえ無意識であるにしろ
相手をコントロールしている感覚が
生じるプログラムであることを
わたし自身理解はしています。

しかし、わたしが感じた違和感は
「ABA」に関するものではなく
この方の感覚的なもの

「自分は上で相手は下」
「自分は支援している側で
 相手は支援されている側」

といった互いの関係性に
「優 劣」を感じさせるものでした。

(あくまでもわたしの感覚です。
 個人攻撃ではけっしてありません。
 ご理解いただけていたら幸いです。)

あえて恐れずに言語化すると
この方の無意識の中にある感覚

もっと言うと
無意識の中の優生意識
ズバリ言うと「差別意識」

ここからやってくる違和感だと
わたしなりに分析しました。

おそらくこの方自身
自分がもっているこの感覚に
気づいていらっしゃらないのではないかと
わたしは拝察しました。

かつてわたしも経験していますが
教員として学校に勤務すると

子どもたちがいとも簡単に
教師の言うことを聞く場面を
これでもかと目の当たりにします。

こうしたことが日々行なわれていくうちに
それが当たり前だといった感覚に
陥っていくことがあります。

「相手は従順で
 自分の言葉で相手が動いてくれる」

これが高じると
相手を自分の思うように
動かせるような錯覚に陥ります。

「相手は非力で
 自分は相手を意のままに動かせる」

こうなったらかなりマズいです。
これは全くの勘違いだからです。

確かに、非力かもしれませんが

相手には気持ちも
意志もそれぞれの
考えもあります。


これを無視してしまうようなことになれば
自ずと相手にも支援者・指導者側の
心の在りようは伝わります。

言葉が未熟だからこそ
子どもたちにはその心に
まさにダイレクトに伝わります。

表面上では仕方なく
指示に従ってくれていても

心の奥では言葉にできない想いが
渦巻いていく
積み重なっていくに違いありません。

その在りようによっては
指導者側・支援者側が

本人たちは無自覚のうちに
残念ながら相手から
軽蔑されている可能性も大いにあります。

正直今、週1回の学校勤務で
真の意味で
お子さんたちと関係性を構築することの
難しさを味わってはいます。

けれども、安易に子どもを
こちら側がもっている
立場や権力でコントロールしたくはない。

対等な人間同士として
子どもたちの意志や想い、考えを
大事にしながらかかわりたい

今回の気づきから
心底そのように納得しました。

また、現在わたしは
放課後等デイサービスで
児童発達支援管理責任者という立場で
支援に携わっています。

こちらにおいても
支援者の在り方は重要です。

安易に子どもを呼び捨てにしたり
関係者のみの場だからといって
お子さんを馬鹿にしたようなものの言い方は

これからも心して避けていきたい。

お一人おひとりを
その個性を大事に尊重し
その良さを大切に
育んでいきたい

なにより
相手に内在する
力を信じたい。


心からからこのように感じました。


今回このことがきっかけで
自身の人権感覚また優生意識について
再度自分に確認してみたい、問うてみたいと
強く思わせていただきました。


実はこのYouTuberさんのチャンネルでは
さらに残念なことに保護者への不満も
あらわにした動画もアップされていました。

障がいをおもちのお子さま方を育てている
お父さま、お母さま方が
どれだけご苦労をされてきているか

たとえその方がお子さんに対し
褒められない行動を取っていたとしても
わたしにはその方々を責める権利は
どこにもありません。

相手に寄り添ってもらえることで
また、本当の意味で理解されることで
人は初めて心を開けるのではないかと
わたしは感じます。

寄り添うことだって
ひょっとしたら
僭越なことなのかもしれません。

わたしには経験がないことですから…。

そうした方たちに
寄り添ってもらえて理解してもらえて
本当に嬉しかった、良かったと
何千回も何万回も言われて
初めて支援者として本物になれるのではないか

大げさかもしれませんが
そのようにも感じました。

自分の人権意識に向き合うことの
大切さを教えていただけたこの出来事に
心から感謝します。

わが身をしっかりと振り返り
今後の仕事にそして今後の自身の生き方に
心して反映させていけたらと思います。

ここまでお読みいただき
ありがとうございました✨

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この記事を書いた人

*フリーランス公認心理師*子育て教育カウンセラー

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