「バイブル」とも言える本にめぐり逢えました📖😊👍感謝✨✨

先日読了した本📖✨

実はこの本を
手に取ることになったきっかけは

こちらのYouTube動画でした ⇓

わたしのこれまでの体験や知見に基づく
「愛着」についての知識を
深くまとめていただいたように感じた

まさに「バイブル」とも言える
こちらの本 ⇓

愛着に限らず
「発達障害」「トラウマ」「心理治療」
これらにからむ「不登校」や
「引きこもり」などの教育的、社会的問題

また、支援者であっても何かと分かりにくい
「投薬」についての問題など

わたしがこれまで
知識として習得したものの

その裏付けが欲しかった
上記の数々のことについて

学問として心理を学ぶ者だけでなく
一般的な支援者にも大変分かりやすく

平易な言葉でしかも
心理臨床事例を数多く取り上げながら

温かく、かつ力強く
紐解いてくださっています。

著者の「村上 伸治 先生」は

現在、岡山県倉敷市にある
川崎医科大学精神科学教室に在籍

准教授という肩書で
大学で教鞭をとりながら

外来で臨床にも
携わっていらっしゃる精神科医です。

ここではわたしの備忘録も兼ねて
この本の中で取り上げられている
重要な部分を抜き出して

皆さまにもお伝えできればと考え

わたしにはめずらしく
AIの力も借りて
抜粋部分の要約を試みてみました。

あくまでも
わたしの目線でにはなりますが
以下が、この本の大事な部分を
抜き出してまとめたものとなります。

※(  )かっこ内の数字は本の各ページです。

1. 発達障害の理解と支援のあり方:診断よりも適切な対応を

💡 不登校と集団適応の功罪

不登校は、親や周囲が望む道ではなく、その子らしさを取り戻すための「必要なまわり道」である可能性がある(1)。しかし、小中学校時代に無理に集団適応をさせようとした結果、いじめなどでこじれてしまい、二次的な障害が生じる事例がはるかに多い(31)。これは、その子の育ちに合わない子育てを周囲が「正しい」と信じて頑張ったゆえの悲劇といえる(31)。

💡 診断の難しさと重要性

定型発達の子どもと異なり、障害児やグレーゾーンの子は成長が見えにくいため、専門家の目を借りて成長に気づき、子育ての歓びを感じられる社会が求められる(32)。

発達障害の病識は重要だが、急ぐと予後が悪くなりかねないのがASDの特徴である(40)。井上氏(2020)は「正確な診断よりも適切な対応を行うことの方が大切」と述べており、筆者もこれに賛同する(40)。病識は、発達障害を定型発達と連続しつつも異質な「異文化」として理解し尊重する文脈で機能することが望ましい(41-42)。

診断とは「未来の予想」であり、予後を的確に読めていれば、それは診断できていることに等しい(82)。最も大事なのは、本人の発達特性とそれが生活障害としてどう現れるかを詳しく把握し、将来の困難を予想してきめ細やかな支援を行うことである(83)。

💡 グレーゾーンの支援と悪循環

グレーゾーンの人々は事例がバラエティに富んでいるため、診断も支援も一筋縄ではいかない(86)。グレーな発達障害の人は、ストレスがかかると適応困難な形に変化し、さらに苦しむことになる(43)。グレーがゆえに支援が入らないまま悪循環が起き、こじれてからの受診となりやすい(60)。

発達障害特性→虐待→トラウマ→愛着障害→発達障害特性の悪化→子育て不調→虐待という悪循環は、発達性トラウマ障害と呼ばれている(60)。大人は、子どもにできないことを要求して、挫折させ、トラウマを作り、成長を止めてしまうパターンをやめるべきである(62)。

特にグレーな事例では、**行動を指示する「指導者」よりも、状況をわかりやすく解説する「解説者」**のほうが重要である(89-90)。解説があれば、指示はかなり不要になることが多い(90)。

また、診断をグレーにしておくほうが、「特性→具体的対処法」の話がしやすくなる場合がある(47)。支援においては、定型発達では無意識に経てしまう過程を「見える化」し、意識してじっくりと行うことが、その子らしい「育ち」を支える(55)。

ADHDの予後を決めるのは自己肯定感ではないかと考えられ、非難される状況であっても、本人の良さを認め「おまえはいいところがある」と言ってあげる大人がたった一人でもいれば、自己肯定感を失わずに生きられる(99)。


2. 愛着・トラウマの問題と回復:無条件の愛情と過去の意味づけ

💡 「愛着」の基盤

愛着とは、子どもが不安定になると親に甘えるなどの行動で安心を得る、親に対する情愛的な絆である(123)。親は、子どもを安全基地として感じさせ、愛され守られていると感じさせることが役目である(123)。

思春期のメンタルな問題(不登校、摂食障害、リストカットなど)の多くに愛着の問題が生じている可能性があり、その問題を改善しないと病気は改善しない(123)。

愛情は無条件である必要がある(121)。条件つきの愛情(期待に応えたら愛される)では、子どもは自分自身は愛されていないと感じ、自己否定を育むことになる(121)。褒める子育てであっても、「褒められる行動をしないと、自分は生きる価値がない」と感じて自己肯定感が下がっていく例は少なくない(121)。

愛着障害の原因の典型は虐待であり、もう一つの典型が発達障害、特にASDである(133)。ASDは他者との情緒的・相互的交流が育ちにくいため、愛着関係が形成されにくい(133)。不適切な養育や発達障害がなくても、親子関係にボタンの掛け違いが生じ、長期化することで愛着に問題が生じることもある(133)。

💡 不登校の子の心理

不登校の子は全員「我慢強い子」であり、何が苦しいかわからぬままひたすら我慢した結果、限界を超える(104)。身体症状や精神症状は、本人が追い詰められていること、**「心があげている悲鳴」**そのものである(103)。

最も重要なのは、慢性疲労で学校に行かない状態を親が受け入れ、責める雰囲気をなくすことである(107)。家にパワハラ上司がいるような状況では、休む効果はいつまで待っても出てこない(107)。

生きているだけで愛してもらえる環境で十分に休めた子はエネルギーが充電され、勝手に何かをし始める(112)。逆に、ゲーム等から離れられない場合は、周囲から責められる状況がまだ続いていることが多い(112)。

学校の対応も、訪問するかしないかなどの画一的な対応はこじれを生む(109)。本人の意向を尋ねることが最も重要である(109)。

💡 トラウマとその治療

トラウマは本人を長く苦しめるが、生活の安定に主眼を置いたかかわりをじっくり続けることで徐々に改善していく例は少なくない(153)。強いトラウマは、その後の思考や行動を自己否定的なものにしてしまい、人生全体に広がってしまう(171, 184)。この現象を火事における延焼に例えることができ、「隔離」をイメージして延焼を食い止めることが望まれる(185, 171)。

重要なのは希望である(185)。「自己否定自体がトラウマの症状です。あなたは悪くない」という説明(心理教育)によって延焼を理解すると、回復を信じられるようになる(185)。

トラウマの治療において、筆者と患者との間で「過去は変えられる」という共通理解ができた(175)。過去の事実そのものは変えられないが、過去に対する意味づけは変えることができる。意味づけが変わることは、過去が変わることに相当する(175)。

さらに、「フラッシュバックは起きたほうがいい」という共通理解も生まれた(175)。フラッシュバックが起きた瞬間、過去と現在が繋がり、そのタイムトンネルを通じて過去のつらい体験(黒色のオセロ)を白色にひっくり返し、意味づけを修正することができるためである(175)。


3. もつれをほどく精神療法:薬とプラセボ効果

💡 精神療法の基盤

統合失調症患者の精神療法では、患者と現実との間を誰かがつなぎ、現実との接触感を保ち続けることが必要である(207)。治療者が味方としての信頼を得て、安定して存在することが、陽性症状や陰性症状の改善につながる(207, 209)。

面接の内容や方向性は、発達障害特性の程度に合わせて考える必要がある(217)。特にASDの人に「あなたはどうなりたいのか」という自己実現を焦点にしてしまうのは、拷問に近いと考えられる場合がある(217)。中井氏(2014)は「治療はどんなよい治療でもどこか患者を弱くする」と述べており、人に頼る情けなさや、治療によって自尊心を傷つけられる可能性に留意する必要がある(218)。

💡 薬物療法の意味

子どもへの薬の投与に対して親が抵抗を感じるのは当然であり、まずはその気持ちを受け止めるべきである(224)。薬は心理社会的な悪循環を減らしたり、小さな好循環のきっかけになりうる(224)。小さな変化でも好循環が回り始めると、薬を減らしても事態は良い方向へ回り続ける可能性がある(224)。

子どもの場合、大人よりもはるかに被暗示性が高いため、プラセボ効果も出やすい(234)。薬が効いたとしても、薬効の8割以上はプラセボ効果かもしれないと考えておくべきである(234)。

重要なのは、「薬物療法で治す」よりも、「薬物療法で少し落ち着かせて、治療として何をするのか」であり、プラセボ効果があるうちに連鎖反応の好循環を起こせるかどうかに治療の成否がかかっている(236, 237)。

薬が処方されてしまったことで「自分はダメな親だ」と感じる親も少なくない(233)。親が薬物療法に抵抗感を示さずに受け入れた場合でも、親としての自己肯定感が下がっていき、その無念さやイライラを子どもにぶつけてしまうパターンが起こることがある(233)。

💡 専門職としての姿勢

精神科医や心理職は、ものの感じ方や考え方が世間一般の常識的な感じ方とズレていることが多く、専門職同士のスーパービジョンだけでなく、時には素人の人にもスーパービジョンをしてもらうべきである(247)。

患者本人に意見を尋ねると、至極真っ当な意見を言ってくれることが多い(248)。思春期の発達課題は自我同一性の獲得であり、自分の気持ちと意見を表明できるようになることが、結局は治療の王道になる(248)。

「発達障害も愛着障害もこじらせない」
著者 村上 伸治
日本評論社


村上先生がご著書の中でおっしゃられている
わたしが最も納得した部分

精神科外来を訪れる患者を診ていると、真面目で優しい人であるのだが、安心感や自己肯定感が乏しいと感じる人が多い。発症後にそうなったのなら無理もないのだが、話を聞くと子どものころからである人が少なくない。優しくていい人なのだが、「自分は生きていていい」という基本的な安心感が乏しいと感じられる。[中着]子どもは本来、基本的安心感や自己肯定感を親との愛着関係の中で育む。この感覚が乏しいのならば、逆境体験が特になくても、広い意味での愛着の障害と捉えて良いのではないかと筆者は考えている。[中略]不適切な養育や発達障害がなくても、親子関係にボタンの掛け違いが生じることはありえる。それが長期化すれば、[中略]子どもの成長に悪影響を及ぼして当然である。[中略]精神疾患患者を診る際には、精神疾患の下に愛着の問題がないか注意する必要があり、また、愛着の問題の下に発達の問題を抱えていないか注意する必要がある。[中略]愛着の問題がある場合は、その原因として生来の育てにくさ、すなわち、愛着の問題が隠れていることがある。逆に、発達障害がある場合は、愛着の問題は必ずあると考えてよい。(133-135)

「発達障害も愛着障害もこじらせない」
著者 村上 伸治
日本評論社

拝読しながら、これほどまで明確に
愛着について述べてくださる

精神科医の先生がいらしたことに
嬉しい驚きを隠せませんでした。

また、

広い意味での愛着障害の存在に気づくことができると、それについて患者と話し合うことができ、今まで語られなかった自己肯定感の有無の視点からの成育歴が浮かび上がってきやすい。すると、今からでも自己肯定をしていくことは可能であると説明することができる。そして、治療者からの肯定を支えにして、毎回10分程度の外来診察であっても、自己肯定を主題にしていくこと、愛着障害を改善していくことはできるのではないかと考えている。(135)

「発達障害も愛着障害もこじらせない」
著者 村上 伸治
日本評論社

心理治療に関しても
このような力強いお言葉をいただき

当事者としてまた
心理臨床にかかわる者として

どれだけ心強かったか分かりません。

これが、わたしがこの本を
「バイブル」だと感じた所以(ゆえん)です。

『愛着』
問題の根っことして基盤に置きながら
発達障害に二次障害からくる「精神症状」

また不登校や引きこもり
感覚過敏なども含む「不安症」などの問題

さらに、プラセボ効果や
OD(オーバードーズ)も
視野に入れた広く深い「投薬」の問題

どれも、改善の鍵は支援者による
「心理教育」にあり

一見複雑かつそれぞれの課題に見える
これらの問題を

根っこを「愛着の問題」と
捉えることによって何らかの
つながりがあると見立てることができる。

これまで改善に結びつかなかった症例を
根っこ(愛着)、すなわち

「成育歴」「生育環境」を注視し
別の角度からの方針に基づいた
治療や支援を試みることによって

筆者が数々のクライアントを
改善に導いてきたという事実に
わたしは小躍りしたくなるほど嬉しくなり

これまでの体験や実際の支援で
上手くいった症例を
腑に落とすことができました。

発達障害は
グレーの濃い・薄いはあれども
ほぼすべての人がもっていると
筆者はこの本の中で述べています。

これには、多くの人が納得し
共感してきていることと思います。

それと同時に、愛着の問題も
ほぼすべての人が抱えている。

断言はしないまでも
筆者はここを症例をもとに
裏付けてくれています。

これまでのわたしの経験の中では
臨床心理士資格をもっている数多くの支援者が
愛着についての発言、言及には及び腰でした。

しかしやはり、
当事者のわたしが今回大きくうなずいた点は
 ⇓

子どもであれ大人であれ
表面に出てきている心理的な問題には
どうも「愛着」という根っこがあり
そこでつながっていることも多いらしい。

ここです。

しかし、こう言われると
子どもをもつ親は必ず「ドキッ」とします。

「自分の育て方に何か問題があったと
 言われているに違いない」
と。

3人の子をもつ母であるわたしも
もちろん同様です。

しかしわたしを含め
親であるその人自身にも

愛着の根っこのどこかに
何らかの問題の片鱗が潜み
未だにくすぶっている。

わたしはそう思うのです。

だから、心理的な目線で
自分を知ってほしい。
自分を理解してほしい。
自分を大事にしてほしい。

愛着の部分の改善は
大人になってからでも

たとえ、わたしのように
還暦を目の前にしていたとしても

可能だとわたしは信じているのです。

迷ったら、支援に悩んだら
この本を読み返そう📖👀‼️

そんな本に出逢えたことに
心から感謝しています✨✨


最後までお読みいただき
ありがとうございました✨

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この記事を書いた人

*フリーランス公認心理師*子育て教育カウンセラー

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